3次元世界は幻影(本文)

 彼の著書の内容と密教や他の霊能者の先生方の意見には共通部分が非常に多い。
 密教とスウェデンボルグの共通意見として、霊界がリアルであり現世(3次元世界)が幻影(仮想空間)であるという点に注目したい。
 基本的に霊界であろうと3次元世界であろうと波動で作られていることは既知であろう。波動は単なる振動エネルギーであり物体ではない。そもそも物体というものは存在せず、振動エネルギーのもつれ具合で、重力や硬さというような形あるらしきものを作りだしている。形あるものは破壊ができる。よって3次元世界とは破壊と創造という作業を可能にした空間であり、寿命という奇妙な概念を想定した世界になっている。寿命があるから時間という概念も生まれる。しかし、それらは意図的に作られた世界であり、3次元世界の方が、実は特殊な世界だったという話である。霊界という「精神世界」がオリジナルであり現実だということを意味している。
 次に共通している重要事項として、霊界には階層があり、考え方や知能、性格、霊格が似ている者同士で共同体が形作られ、共同体間を行き来することはほとんどなく、階層間を行き来することは基本的にできないということ。
 だが、レベルや考え方が似ている者同士の共同体が、全く入れ替りがない状態が無限に続くのであれば、精神が進歩しにくい。完全隔離は全ての共同体の生気を奪い、やがて全滅する可能性を秘めている。だから、全階層の魂を全部混合した競技場を設けて競争していただく必要があるだろう。その競技場(実験場)が3次元世界であるのではないかと私は考える。この3次元と言う競技場では、わざと壊れやすい肉体や物質を与えられ、わざと寿命を与えられ、そこに全ての善と全ての悪を一緒に住まわせて生存競争させてみるという極めて特殊な状況を作りだしたのかもしれない。
 今住んでいる共同体から他の共同体に移り住みたい場合は、一度記憶を消されて3次元世界に産み落とされ、一旦、全階層が存在する世界で短い期間生存してもらう。その時に養われた価値観により再び霊界での住む階層(共同体)を決める。つまり移住したいものは3次元世界で肉体という実験道具を持たされ、そこでごく短期間の生存競争を経験してもらって試験するということだ。この試験の結果次第では、2階層、3階層と飛び越えて上の階層に行くことが可能で、逆に今の階層から極端に下の階層に行くこともある。その試験会場が3次元世界。だから地球上には極めて善良な人間から極悪人までバラエティに富んでいるわけだ。3次元世界に降りた者全員に、全階層への移住のチャンスがあるわけだから地球上には全階層の人間がいるのは当然。
 3次元世界は善悪の価値観が異なる者同士がミックスされるのでここに生まれた者全員が理不尽な思いをすることになる。さらに、価値観が異なる者同士で資源を分かち合わなければならないから、生まれてから死ぬまでトラブル続きとなる。だが考えて見れば、霊界を統治する者は全階層の考え方を知らねばならないのだから、3次元世界での研修は必須だろう。→次の本文を読む