霊能者たちの苦悩要約

 霊体が憑依することにより様々な病気が発生することをこれまで学んできた。霊体の憑依は生命場や形態形成場を乱す。それならば霊体の正体、霊界の仕組みを知ることが健康な体でいるために必要であることがわかる。だが、霊界の情報は霊能者の意見を訊く以外に知る方法がない。そこで霊界について記述されている著書を集め、霊能者たちの見解をまとめて考察することにした。
 調べているとあることに気づいた。霊界からの干渉は人々を支配する力を持ち、実際に世界はその力を利用して民衆を都合よく支配してきた。だから霊界の話は意図的にゆがめられることがわかった。
 高等な神を降ろすことのできる霊能者たちの共通意見として「霊能者にはしばしば低級霊が降り、しかし自らを高等な神仏であると嘘を言い、都合の良いお告げをべらべら並べ立てる」と言う。これが霊能者の間で意見の相違が起こる最大の理由であった。
 霊界の体験談の中で世界で最も詳細が述べられている書物がスウェーデンボルグの著書であろう。彼は科学者であるが、人生の後半30年を霊界の詳細を書物に残すことに費やした。彼は幽体離脱して霊界を観察してまわるのだが、彼の1回の幽体離脱時間がとても長く、数日に及ぶこともあるので、観察の延べ時間が他の霊能者たちよりも圧倒的に長かった。その間飯も食わなければトイレにも行かない。彼はそうまでして多次元構造の霊界を観察した。だから他の霊能者たちの誰よりも圧倒的に詳しく霊界を解説できた。だが、それでも霊界で起こることのほんの一部を説明したに過ぎない。30年間では歴史を学べないし、仕組みも詳しく知り得ない。できるだけ多く多次元世界をまわるにしても、観光レベルで理解するのが精一杯であったろう。無限に広がる霊界の全てを見て回る時間としては30年は一瞬過ぎる。だが、彼の霊界研究は科学者の視点で行われており、おそらく世界のどの霊能者よりも信用度が高い。
 彼の見解と密教の見解には大きな共通点があった。それはこの3次元世界が幻影(作り物)であるということだった。霊体が実体で、3次元世界の物質は波動エネルギーを練って作ったものだという。私たちの地上での人生は短く一瞬であり、本体は霊界で過ごす霊体であるということ。
そしてもう一つ、病気は霊体が憑依すると発生するという点。憑依した霊が生前に持っていた病気の情報が、憑依主に移植されてしまうことで起こると述べている点がチベット医学と共通している。霊体は3次元世界の物質の発生、分化、アポトーシス(計画的細胞死)、細胞分裂の速度・回数、免疫システムなどを操作・設計する能力を持つということになる。
病気の発生に霊体の憑依が絡んでいるという話は、おそらく霊能者なら全員一致の共通見解だと思われる。霊が憑依して頭痛や腹痛、咳、関節痛、神経痛などが実際に起こることをほぼ全員が体験しているからである。しかし、これらは医学の考え方に反発する。医学は霊体が病気の原因になるという見解を絶対的に否定しにかかる。それが医学の限界である。