霊界からの干渉(本文)

 密教でも、霊能者の間でも、霊界が人間に干渉することは皆が認めている。では実際に、一人の人間に何体くらいの霊が干渉しているのだろう。これは霊能者にインタビューするしかないのだが、多い場合は数十体の霊が一人の人間に憑いているという。深見先生は数十体から50体という。霊界からの干渉には制限がかけられていない。つまり霊界にいる霊は全員が自由自在に3次元世界の人間に干渉が可能。冥界の釜は年中無休で開きっぱなしのようだ。
 ではなぜお盆やお彼岸に地上に霊が多くなるかと言うと、それは地上の人が亡き人に一斉に思念を送るからであろう。つまり彼らは呼ばれたから来るのだ。
 死後百年もすれば、地上に顔見知りは誰もいなくなるので、地球の人間に干渉しようという気は起こらなくなるのが普通である。何百年も地球に干渉する霊体は、地球に生を得た時に、よほど強いショックを受け、それを恨みに思うか、または地上の人々に愛され続け、頼りにされ続けるかのどちらかでなければ、何百年も人間に干渉し続けるということはないだろう。だから、人間に干渉する霊体とは、自分の親族のことが気になる霊体、地上に忘れられない強い思い出を盛った霊体、近みと復讐に燃えている霊体、人々に祀られた霊体などに限られるだろう。そうしたしがらみがなくなれば、彼らは人間に干渉する理由がなくなってしまう。
それにしても、一人の人間に干渉する霊体の数は、神様も含めてその十倍以上存在するようである。三次元世界に干渉する霊たちは、いずれも(神々も含めて)地上に執着がある、または管理を任されている霊体であり、その執着する三次元世界の物質の種類によって彼らの居場所が変わる。人に執着する霊、土地に執着する霊、家に、骨董品に、美術品に…といった具合に居場所が変わる。
 悪霊も善霊も地上に降り立てば全員ごちゃまぜとなり、地上は常に様々な霊で混沌としている。しかし、彼らは基本的に居住地は霊界であろうと地上であろうと、制約はあるが自由のようだ。天国に住む霊体は天国と地上のどちらにいても自由。地獄に住む霊体は地獄と地上のどちらにいても自由。だから、霊界が「居心地が悪い」と感じた霊は地上にずっととどまることがあると思われる。地上に執着するからとどまっているのではなく、霊界が単純に嫌なのだろう。
 ここで強調しておきたいのは、霊界と三次元世界の垣根はほとんどないということ。これはスウェデンボルグが言っていたように三次元世界をゴムの球に例えたこと似ている。
 本来、霊体は気の合う者同士が一緒にいる方が居心地が良い。地獄でさえ「気の合う者同士のコミュニティである」とスウェデンボルグが言った。ではもし、地上でそのような霊体のコミュニティができあがればどうだろう。それは居心地がよくなるのも無理はない。例えば、カルト教団の教会などは、彼らにとって楽園となるだろう。その教会では男女が乱交セックスに耽っているというような状態であったなら、そこは悪霊にとって地獄よりも住み心地がよいだろう。真に気の合う悪霊同志は魂が一体化することもあり、その場合はカルト教団に巣くう巨大な悪魔として君臨するようになる。この悪魔は、この教団が存続できるように、教祖に力を貸すに決まっているので、教祖は神通力を得て神のように崇められるだろう。そういう教団が地上にどれほどたくさんあるのか?私は想像したくない。
 同様に神社仏閣も善霊である神々が集う「地上のコミュニティ」として成り立っている。彼らの場合は、おそらく、居心地がよいという自己中心的な考えで地上にとどまっているのではなく、地上に降りた善霊を守るためであろうと推測される。神々の中でも、優秀な者は、霊界と三次元世界の両方からひっぱりタコだと思われる。善の神々は無限の時間を働き、奉仕しているのだろう。→次の本文を読む