霊に支配された生活(本文)

 次に、もっとも重要な霊能者たちの共通見解を挙げる。それは全ての人間が霊に支配されて生きているという点である。人間という乗り物に自分の霊だけが乗りこむのではなく、常に様々な霊体があいのりしているという点が霊能者たちの共通見解になっている。
 スウェデンボルグは「霊は自分と同じ考えや感情・価値観を持つ人間を見ると興奮して憑依する」と述べている。したがって殺したいほど腹立たしいと感じた時、短気で暴力的な霊があなたに憑依する。憑依霊が2体、3体となると怒りと殺意は増幅され、やがて殺人を実行してしまいたい欲求にかられるようになる。こういう現象が世界中で毎日起こっている。自殺願望も基本的には同じであり、実際に自殺者の霊が何体も憑依している。
 怒りをずっと継続的に持っていると、怒りの霊があなたを居心地よいと感じ、ずっとつきまとうようになる。結果、あなたの心はどこまでがあなたで、どこまでが怒りの霊の心なのかが区別できなくなる。こうしてあなたの人生はやすやすと他人の霊に乗っ取られる。
 怒りと憎しみと自己中心的な霊に長年乗っ取られたままでいると、その霊が所属していた階層の霊界の団体との交流が密になる。すなわち低階層(悪霊)との交流が密になり、生前から悪霊系の階層に行くことが決定されることになる。また、低階層(悪霊系)の霊は病魔に侵されている確率が高く、低階層の霊に憑依され続けると、その霊が持っている病魔に侵されていく。怒りや憎しみの霊にはもれなく病魔がついてくると考えてさしつかえない。
 病魔に侵されないために必要なことは、ポジティブな思考を自分の本心と考える癖をつけ、ネガティブな感情が湧けば「この感情は自分のものではない」と反発することである。 
だが、反発することはたやすくない。他の霊に精神を乗っ取られているにしても、それは自分の考えと区別ができないため、反発すると自己否定することになり、プライドが著しく傷つく。それを乗り越えるには普通の日常生活だけでは到底無理だと私は断言する。例えば、死を宣告されるような難病にかかるなどのきっかけが必要になる。
 霊のあいのりは、その霊が持つ病魔の情報が、憑依主の生体場(形態形成場)を狂わせるために病気を起こすと思われる。例えば胃癌で亡くなった霊が憑依し続けると憑依主も胃癌になるというもの。しかし、霊能力の高い霊では意図的に任意の難病を発生させることができると思われる。それらを密教では呪詛と呼ぶ。チベット医学のところで述べたように、呪詛は解除することが極めて難しい。
 全人類が霊にあいのりされているわけだから、全人類が霊障に大なり小なり罹患しているはずだろう。そういう視点で医学を考え直す必要がある。→次の本文を読む