陰陽師の消霊(要約)

 陰陽師の発言で少し気になるのは、彼らが「除霊」ではなく「消霊」を行うと述べている点である。私たちは肉体と霊体を持つが、肉体が死んだ後も霊体は生き続けると言われている。しかし、その霊体を消し去るというのは、霊体の寿命を考えると肉体を殺してしまう殺人よりも責任がずっと重い。永遠の命を持っている霊体を消去するとは、まさに真の命を抹殺することであり、人間を一人殺すのとは重大さが桁違いである。「悪い霊だから情けはかけない」と彼らは述べているが、善悪を一人の人間が人間の都合で、人間の道徳観で決めるのは横暴であるかもしれない。冤罪や判断ミスがある可能性があるからだ。→本文を読む