量子論は危険をはらむ(本文)

 量子論を研究する者は最初に「科学の洗脳を解く」作業から入ることが常識となっている。洗脳が解けていない者たちから執拗な攻撃に遭うからだ。量子論者は、とても面倒な話であるが、世界中の科学者たちから攻撃の的にされる。その攻撃から身を守りながら研究をするという二つのことを同時にしなければならない。量子論は科学の常識を覆してしまうためおそらくほとんど全ての実証科学論者に牙を剥く。だから研究の資金援助がなかなか得られず、そして証拠をつかんでもすぐに反対理論でつぶされ、量子論者はその成果を認めてもらえにくく、波乱の人生を送る運命にある。こんなまるでトランプのジョーカーのような存在に進んでなっていこうという研究者は世界でもそれほど多くない。が、それでも近年は量子論者が増えて来た。
 大規模な渡りをすることで知られているコマドリが地磁気を感知している証拠をみつけたドイツ人鳥類学者のヴィルチェコ夫妻。1982年、量子もつれ状態の存在を証明したフランス人物理学者アラン・アスペ、1989年、酵素で量子トンネル効果が起こっていることを証明したUCLA大学のジュディス・クリンマン、ノーベル賞受賞者で量子電磁力学を打ち立てたリチャード・ファインマン、そしてスティーブン・ホーキンスと共に事象の地平線を唱えたロジャー・ペンローズ、ペンローズと共に生物の意識を量子論で説明している麻酔科医でアリゾナ大学教授のスチュアート・ハメロフなどである(詳細は後ほど)。これらの偉大な科学者は、当然ながら四方八方から攻撃を受けながら、それに耐えながら研究を進めてきた。それは想像以上に困難な道である。新理論を打ち出す度に、次々と反論で攻撃に遭うからである。
医学を量子力学的に考えて人々を治療していこうとするとさらなる攻撃の的にされる。だから理論だけを説くではすまされない。攻撃をかわし、自分の命を守るためにも科学のルールを守る必要がある。非科学的なものいいで持論を展開すれば攻撃の的にされ見せしめとして世にさらされてしまう。だからこそ量子医学を研究する者は一致団結して協力し合わなければならない。
量子論は現代の「パンドラの箱」として存在している。決しておおげさではない。 →次の本文を読む