量子論が機械論者に牙をむく(要約)

 さきほど紹介したペンローズのような天才数理物理学者が機械論を撃破しにかかっている。だが勝負は永遠につかない。その理由は「わからないことが全てわかるようになることは永遠にない」からだ。量子の動きが摩訶不思議で計算不能であることがわかるようになったのはつい最近の科学の進歩のおかげである。
 ペンローズは「意識」というものに量子力学が関わっていることを確信している(脳科学者の多くは彼の意見に猛反発している)。一方、脳科学者は「意識は脳の中の多くのニューロンの発火による」と考えている。ニューロンの発火のようなマクロな現象には量子力学は関わっていない、古典的な物理で十分とされている。
 永久に決着はつかないことがわかっているが、ペンローズは既存の脳科学を破壊しにかかっていることだけは確かである。→本文を読む