カリフォルニア大学のS・ギダーは鉄を運ぶフェリチンというたんぱく質における量子磁気現象を検出。電子のトンネル効果は呼吸や光合成、そして多くの酵素メカニズムにおいて電子を輸送する役割を果たしている(A.コーエンら、1998年)。
などから、量子力学が一歩ずつ着実に医学の領域に足を踏み入れていることがわかる。さらに一歩進んで「弱い電磁場は生体系に驚くべき効果を与えることが示されて来た。それは線虫の成長を促進するというものから、遺伝子の発現レベルを変える。細胞のアポトーシスを防ぐというものまである。と、次々と摩訶不思議な生体現象が科学誌で発表されるまでになってきている。
ここで重要な可能性があるのは「弱い電磁場」である。成長を促進させたり、アポトーシスを防いで長寿化させたりなどという信じられないような現象が、「弱い電磁場」によって起こりうる可能性である。ならばそういう電磁場を意図的に作ることができれば、その場によって人間の病気をいろいろと治せる可能性がある。
まさにそれが量子医学であり波動医学である。医者たちがこれらを「トンデモ科学」と呼ぶ理由は、そんなことができるはずがないという思考と、もしもそれができたら医学が大打撃を受けてしまうからだろう。それは経済のモンスターである製薬業界を低迷させる力にもなる。
ただし、「弱い電磁場」の正体はつきとめられていない(第6章で述べる形態形成場、第7章で述べる生命場が同意であると思われる)。場をどのようにして作り、いかに生体に作用するのかの機序は全くもって不明である。不明だから憶測でいろんな人が持論を展開する。だから信用性が損なわれる。場の話は科学的に証明することが極めて難しいため機械論者に批判材料を与えることになり、かえって機械論者の攻撃の火に油を注ぐことになっているようだ。
が、機序が不明だから信じないというのは短絡過ぎる。少なくとも客観的データにより成果が実証されているのなら、病気の人にとっては「機序が不明である」ことなどどうでもよいことである。
パソコンや電子機器の世界では、原理がわからなくても量子力学がすでに使われていて、量子力学を研究しない国は科学技術から取り残されてしまう時代になった。最先端の世界では機序が不明でも不明のままどんどん利用されている。
医学に量子力学を利用するにあたり、「場の理論」を用いることは、今のところ「トンデモ科学」と呼ばれて非難されているが、原理がわからなくても成果が出れば、いずれ普及する。医学分野でも「場の理論」を研究しない国は取り残される可能性が出てきた。
私たちが理解しなければならないことは、医者たちが「トンデモ科学」と呼ぶほど量子医学はトンデモではないということ。量子的な実験が次々と世界中で行われ、弱い場の影響が日進月歩で研究され、実際に難病治療に利用されているということを私たちは認識しておかないと損をする。→次の本文を読む