量子医学と波動医学(本文)

 量子とは素粒子が波動のような動きをすることからつけられた名前である。前述した素粒子の粒子性と波動性の二重性(重ね合わせ)を意味する。したがって波動医学という言葉は量子医学とほぼ同意語ととらえてよい。
 バイオレゾナンス医学も同意語のように用いられる。バイオレゾナンスは生体共鳴と直訳できる。前述した嗅細胞のところで臭い分子の化学基が固有の振動数を持っていて、レセプターがその振動に共鳴して神経細胞のスイッチが入るという説を思い出してほしい。つまりバイオレゾナンス医学は嗅細胞の理論をどんどん一人歩きさせて発展させた代替医療と言ってもよい。
 波動医学もバイオレゾナンス医学もオカルト医学と呼ばれ、一般の人々の間でも詐欺医療と呼ばれることが多い。しかし、詐欺ではなく「不明」なだけである。不明ではあるが共鳴を利用して細胞同士が通信していることは量子論的には「否定することができないくらいに証拠が続々と提出されている現状」となっている。
 細胞の共鳴は人間で行うと測定誤差の問題や詐欺の問題で信用度が低くなる。そこで動物や昆虫を用いた実験がしばしば行われるようになった。前述の嗅覚に関する実験や、鳥やゴキブリが地球の磁場を感知することのできる能力を持っていることの実験などで「共鳴理論」が推定されるようになり、それぞれノーベル賞を受賞するほど世界的に認識されている。
 つまり波動や共鳴という言葉を聞いてそれを=詐欺、と断定することができないほどに科学は進んだ。重要問題はその事実が学校教育から隔離されて一般人が知り得ないようにしていることにある。だから医師でさえ波動医学=トンデモ医学、と呼ぶ。「トンデモ」ではなく彼らが科学の発達を認識していないだけである。
 これまでは化学物質が細胞同士の命令や情報交換、統制を行っていると考えられていたが、そのレセプターの先に、共鳴による指令系統があることが予測されるようになった。それを私たちのような二流の秀才が言うのではなく、ノーベル賞を受賞する物理学者の意見なのである。さすがにノーベル賞を受賞した学者に対して「共鳴なんて言葉を使って頭がおかしい」とは言えなくなった。
 しかし、だからと言って波動医学が正しいという理論にはならない。「解明されていない」内容で、かつ「症例が集まらない」状況なので評価できない。波動の種類は組み合わせにより無数。かつ、無機質から発せられる波動と有機物から発せられる波動の違いを全く考えずに利用しようとしている波動医学の現状、さらに、波動自体に意思(意識)があることに考えが及ばない科学者の存在などにより波動医学は「信頼度が低い」状態であることは否定できない。
 一言で言えば、波動医学は複雑すぎて人間の思考が及ばない。それを「わかったようなことをいう」こと自体が「わかっていない」と言われてしまう。あまりにもツッコミ要素が多すぎる。波動医学こそ、しっかり理論を構築し可能な限り科学的に説明しなければならない。
 確かに波動医学は不治の病を治すことがある。それは最近ではある程度一般的にも知られるようになったと思う。しかし、どの波動が自分に合い、そして効果を発揮するのかの情報があまりに少なすぎる。種類も無限にあり、施術者各自が自己流である。
 今後は波動医学が有用と認められる時代が来ると思うが、今の時点でもう少し整然と説明をつけられるようにしておく必要がある。→次の本文を読む