量子力学と力学の違い(要約)

 力学は目に見える範囲の大きさの物体の物理的な法則を説く。量子力学は目で見ることはできないとても小さな素粒子の物理的な法則を説く。そして素粒子の世界では科学理論が通用しない次のようなことが起こっている。

量子トンネル効果:閾値を超えることなく化学反応を起こすことができる。太陽が核融合をし続けるのは量子トンネル効果のおかげである。トンネルダイオード、量子コンピュータ、走査型トンネル顕微鏡などの装置において応用されている。

量子もつれ状態:もつれ状態にある素粒子はどんなに引き離しても相互の回転方向などの関係性が崩れない。これは何万光年と距離を引き離しても成立する。もつれ状態にある素粒子の間には距離が存在しない。

波動と粒子の二重性:素粒子は粒として動くだけでなく波として動く。2か所同時に存在していられる。まるで分身の術が実際にあるかのよう。

 力学は応用され、私たちの生活に密接に関わりがある。建築物、自動車、各種機械など衣食住を豊かにした。一方、量子力学は精密な電子機器、GPSやMRI診断装置、量子コンピューター、ブルーレイディスク、CCD(撮像素子)など、最先端科学技術に応用されている。
 「大きいものと小さいものは世界が違う。」と普通の力学者は考えるが、「大きなものを細かくしていくと別世界になる」はずがないのだから、力学と量子力学は必ず結びつく。ただ、それができるまでに科学が発達していない。→本文を読む