遺伝する形態形成場の情報(本文)

 クモはクモの巣の設計図情報を、鳥は鳥の巣の設計図情報を形態形成場に含めているだろう。このように生き残るために必要な環境設計情報が形態形成場にストックできることは明らかである。
 後天的に獲得した行動パターンが親から子に引き継がれることがラットの実験で分かっている(6-8.)。すなわち、ピアニストの親からは音楽の才能のある子が生まれやすいということ(教育して才能が発達するという意味ではない)。才能は遺伝する。これは親の形態形成場(霊体)が子の形態形成場と共鳴して情報を更新するからであると推測する。DNAだけが遺伝情報を持っているわけではないと言われ始めたが、今、科学が激震している。
 もう一つの遺伝情報として、自らが保有している形態形成情報の影響を受ける。これは転生した時に前世の才能を受け継ぐ可能性があることを意味する。
 例えば、前世と前前世の職業が歌手だった場合、親の職業にかかわらず、生まれて来た子供は歌手としての天賦の才能を持って生まれてくることがあるということ。つまり「とんびが鷹を生む」のである。
 霊能力やその他の超能力はまさに前世の能力の遺伝ではないだろうか。その能力を用いて前世も前前世も僧侶だった場合、類い稀なる霊能力を持って生まれてくるということを意味する。
 学力や運動能力もまた前世の形態形成場の影響を受けると推測される。
 この点において、人は平等に生まれていない。人の技術がこのような形態形成場への蓄積が行えるとなると、人間が過去に何度転生しているかによって能力差が生まれることは当然のこととなる。
 何度も転生し記憶力を鍛えてきた人間は、今世で抜群の記憶力を幼少期から発揮して周囲を驚かせるだろう。だがそれは過去に何百年と記憶力を高める訓練を続けて来た汗の結晶だったということになる。
 音楽、学力、運動能力、武力なども形態形成場にストックされ、その情報は死去後も霊体にとどまる。よって霊体が何度も人間に転生すると、ストックされた形態形成場は非常に有利に働くに違いない。だが、それは人間に転生するから有利なのであり、餓鬼や他の動植物に転生したのでは意味がない。
 また、人間に転生した魂が、以前は動物界で、今世で人間を一から経験するというような場合、何度も人間に転生していた魂を持つ人間と比べると能力が劣る可能性がある。
 だが、これ以上の推論は無意味である。気が遠くなるほどの推論を重ねなければ真実にたどりつかないからだ。もっと高次元に住み、叡智を蓄え、視野を広げない限り真実が見えてこない。→次の本文を読む