身近にある不思議(要約)

 ルパート・シェルドレイクの著書「世界を変える7つの実験」を参考に、科学が追いついていない不思議な現象について述べることにする。彼は生化学において博士号を取得した英国王立協会会員であり、アメリカのPBSテレビは、「現在もっとも注目すべき6人の科学者」の1人に挙げた。

・ペットは飼い主の帰りを予知する
仕事の関係で帰宅時間が不規則であるが、飼い主が帰宅を開始すると、ペットが玄関に移動して出迎える。

・ハトの帰巣能力の研究
ハトの帰巣能力の研究は世界各地で行われたが、どんな過酷な実験をしてもハトが帰巣することから、科学では解明できないと結論付けられている。

・主人を見つけるペット
第1次世界大戦当時、英国犬プリンスはドーバー海峡を渡ってフランスの戦場にいた主人の元へたどりついた。

・白アリがなぜ巨大なアーチを作れるか
プラスチックの容器を4つ並べ、そこに白アリを入れて観察すると、両端の容器のシロアリが容器の端に柱を作り始めた。シロアリはあり同士の交流がなくても左右に柱を作り始める。

・ファントムペイン(幻影痛)
切断された手足に痛みを感じること。先天的に手足のない人のファントムペインの証明が難しい。ただし、理論上は手足から脳に至る神経経路のどこかにインパルスが起きれば幻影が起こっても不思議ではない。だがそんなことを言えば、健常な人でさえ人間は全身のどこにでも幻影・幻覚・幻痛が起こることになり、話にならなくなる。

・実験者の期待は結果を左右する(プラシーボ効果)
予測の自己実現という言葉がある。期待や予測通りに物事が運ぶという意味で、予測を成就させようとする方向に人々が行動したからであると言われている。プラシーボの平均有効率が治療用医療薬品の30~50%に達する(わかりやすく言うと半分近くの人は薬が要らないじゃないかという話)。進行癌の患者に、当時「奇蹟の治療薬」と評価されていたクレビオゼンという実験薬が注射された。すると患者の腫瘍が雪玉のように溶けてしまったという実話。新しい治療方式を信じる医師と信じない医師とでは治療成績に雲泥の差が出る。支持派が有効率を70~90%と報告したのに対し、懐疑派は30~40%と報告した。など。

・超心理学における実験効果
実験者効果は超心理学者にとっては常識にも等しい。心霊能力者はリラックス・前向き・熱気に満ちた雰囲気で能力が発揮され、悩み・不快・疑念があると効果が落ちるということ。超心理学的実験は懐疑派が行うと成績が落ち、友好派が行うと上がる。
 これは特に心霊や気功、波動医学など、一般的にオカルトと思われている治療を受ける患者と治療師の関係で重要となる話である。

 これらの内容が彼の著書には極めて論理的かつ科学的に書かれている。興味のある方は彼の著書を最初から最後まで読むことをお勧めする。→本文を読む