再びルパート・シェルドレイクの著書「世界を変える7つの実験」を参考に、科学が追いついていない不思議な現象について述べることにする。彼は生化学において博士号を取得した英国王立協会会員であり、アメリカのPBSテレビは、「現在もっとも注目すべき6人の科学者」の1人に挙げた。しかしシェルドレイクに対し、仮説発表当時からいまだに懐疑的な目を向け、議論をふっかける科学者たちが跡を絶たない(wikipedia)。
1. ペットは飼い主の帰りを予知する
2000年、彼の仮説を日本テレビで証明する番組が放送された。飼い主とペットの双方をカメラで追跡。仕事の関係で帰宅時間が不規則であるが、飼い主が帰宅を開始すると、ペットが玄関に移動して出迎えるなどの様子を放映した。同様の体験の手紙をイギリスとドイツで30余り受け取った。
2. ハトの帰巣能力の研究
ハトの帰巣能力は驚異的であり、昔から伝書鳩として用いられた他、戦況を確認するための軍事利用も行われた。よってハトの帰巣能力の研究は世界各地で行われたが、どんな過酷な実験をしてもハトが帰巣することから、科学では解明できないと結論付けられ、今のところ研究は頓挫している。
仮説には、恒星を目印、地球の磁場を感知、臭いをたどる、航路を完全に記憶、地上の物体を目標、太陽アーク説(太陽高度と体内時計を利用)、偏光説・超低周波説・磁器マップ説など、あるが全ての説が実験により論破されている。ハトに目隠し、強烈なにおい、三半規管を切除、麻酔をかける、くちばしに強い磁石をつける、目にコンタクトレンズをいれて物体が見えないようにする。ぐるぐる回転させながら移動させる。ハトの巣を移動させてしまう。など、動物愛護団体が聞いたら抗議するようなひどいことをしつくしたのだが、何をやってもハトは結局巣に帰ってくる。
ハトは科学をあざ笑うかのごとく、その超能力をやすやすと披露する。そして最終的にはハトは量子もつれ状態を利用し、巣と自分が見えないゴム紐のようなもので関連付けられているとしか、考えられなくなっている。この説であれば、カッコーが親に育てられていないのに本当の親のところへ帰巣できる理由も説明がつく(親と子が量子的に関連付けられている)。が、そういう推論をすること自体に科学者たちは激怒しているようだ。
3. 主人を見つけるペット
第1次世界大戦当時、英国犬プリンスはドーバー海峡を渡ってフランスの戦場にいた主人の元へたどりついた。カリフォルニアからオクラホマに引っ越しの途中でペルシャ猫が車から飛び出す。1年後にに1600キロ以上離れたオクラホマの新居にこの猫が現れた。ペットのハトが入院先の病室の窓までやってきた。これらを既存の科学で説明しようとすればできないこともないが、それにはかなりの無理がある。
4. 白アリがなぜ巨大なアーチを作れるか
アフリカのオオシロアリは6メートルの高さのアリ塚を作る。まず最初に左右から柱を作っていくのだが、プラスチックの容器を4つ並べ、そこに白アリを入れて観察すると、両端の容器のシロアリが容器の端に柱を作り始めた。シロアリはあり同士の交流がなくても左右に柱を作り始める。真ん中の二つの容器では何も起こらない。真ん中にアルミの板を置くと巣作りは阻害された。よって電磁波説などが考えられたが、自然にある巣の真ん中にアルミ板を置いても巣作りは阻害されなかった。女王アリを殺すと巣作りは瞬時に止まった。
そこには設計図に変わるような電磁波による誘導があるのだという仮説が生まれた。だからアルミ板を置くとシロアリの巣作りが阻害されたのだろう。だが、自然にあるシロアリの巣の間にアルミ板を置いても巣作りが阻害されなかったことから「電磁波だけではない」と考えられるようになった。
こういう現象を不思議に思うかもしれないが、実は私たちも同じようなことができる。私たちは受精卵から赤ちゃんへと成長する時、右の足と左の足は鏡に映したように対称に構築されていく。細胞同士が話し合いをするわけではない。心臓、肺、胃、腎臓、肝臓、すい臓なども、そうである。設計図もないのにきちんと出来上がる。
このような形態形成場に関する研究は始まったばかりだが、この研究は医学に応用できる。場の乱れによっていろんな難病が起こると考えれば、これまでの病理学は根底から覆されることになる。当然ながら医学者はこのような場の話を毛嫌いする。いや、毛嫌いにまで行かない。無視するので嫌うこともない。が、それでは医学は化石となって取り残される。量子の世界が場の解明に一歩進んでいるというのに、医学がそれを無視するならば、西洋医学は袋小路につきあたる。
5. ファントムペイン(幻影痛)
切断された手足に痛みを感じることからこの名がついた。痛みに限らず、圧迫されている、曲げている、宙ぶらりんになっている、灼熱感があるなど、様々な感覚を失われた手足に感じる。幻影が現れるのは手足に限らず鼻、ペニス、乳房などもそうである。先天的に手足がない人にも幻影は生じる。
ファントムペインという言葉を聞いたことがない人は多いと思うが、「脳の誤作動」という言葉は世間に広がっている。医者が作った勝手な推論だが、確かに一理ある。痛みや幻影を感じているのは確かに脳なのだから、「脳に異常がある」というのは理屈では通っている。だがそれは汚れている水を見て「これは汚水のせいだ」と言っているに等しく、全く答えになっていない。
医学的には切断された神経の断端からインパルスが脳に伝わって起こることと言われており、私もその意見に賛成であった。ところがそれでは先天的に手足のない人の幻影を証明が難しい。ただし、理論上は手足から脳に至る神経経路のどこかにインパルスが起きれば幻影が起こっても不思議ではない。だがそんなことを言えば、健常な人でさえ人間は全身のどこにでも幻影・幻覚・幻痛が起こることになり、話にならなくなる。
もちろん、切断端からのインパルスという説も間違いではないが、どうもそれだけでは説明がつかない。
シェルドレイクはファントムペインの理由を白アリのところで述べた「形態形成場」にあると推論した(もちろん機械論の科学者は彼の意見を疑似科学として無視している)。
彼は「身体は場によって組織化され、そのまわりは場に囲まれている。電磁場、重力場、量子場だけでなく、形態形成場も身体の発育やその形状維持に貢献しているし、行動の場、精神の場、社会の場によって行動や精神生活が支えられているのである。そこには個人の過去に由来する生来の記憶と過去の数限りない人々からの集団記憶が含まれている。」と述べている。「過去の記憶や過去の集団記憶」というのは誠に宗教的であるが、私個人としては同意する。なぜならば、私は霊能者と暮らしており、実際に身の周りに起こる奇妙な出来事から、彼の意見を支持せざるを得ないからだ。ここではその奇妙な出来事を紹介しないが、彼が「過去の記憶や過去の集団記憶」の存在を証明した実験がある。これはテレビ局の番組企画として放送された。
1983年8月31日、イギリスのテレビ局テームズ・テレビによって、シェルドレイクの仮説を調査する公開実験が行われた。一種のだまし絵を2つ用意し、一方の解答は公開しないものとし、もう一方の解答はテレビによって視聴者200万人に公開する。テレビ公開の前に、2つの絵を約1000人にテストする。テレビ公開の後におなじように別の約800人にテストをする。いずれも、この番組が放映されない遠隔地に住む住人を対象とした。その結果、テレビ公開されなかった問題の正解率は放映前9.2%に対し放映後10.0%であり、もう一方のテレビ公開された問題は放映前3.9%に対し放映後6.8%となったという。
これにより、「公開されなかった問題では正解率は余り変化しなかったが、公開された問題は大幅に正解率が上昇した」とされた。この公開実験によって、シェルドレイクの仮説は多くの人々に知られるところとなった。テレビによって操作された集団記憶が作り出した精神場が、テレビを見ていない人の正解率を上昇させたと結論付けられた(wikipedia)。
まさに科学者が嫌悪感を向ける実験だが、これを否定する根拠を彼らには見つけられない。
ちなみに私の妻は他人の痛み・炎症・凝りなどの部位を自分の体の同じ部位にコピーする能力があり、「他人の病気を我が病気のように感じて発見する」能力がある。この能力は「身体に場が存在している」以外の理由は考えられない。
6. 実験者の期待は結果を左右する(プラシーボ効果)
予測の自己実現という言葉がある。期待や予測通りに物事が運ぶという意味で、予測を成就させようとする方向に人々が行動したからであると言われている。宗教的に言えば「念」。シェルドレイク流に言えば精神場。一般的に言えば「期待感」である。
ここで述べることは「身もふたもない話」である。そして、人類を救うレベルの大げさな話にも通じている。プラシーボ効果がそんなにすごいのか? と思われるかもしれないが、結論を言えば「人生を揺るがすほどにすごい」ことがある。よって、これから述べる話は流して読まないことをお勧めする(流し読みしたくなるので先に言っておいた)。
「気は心」と言って、思い込みが病気を作り、治ると思い込めば難病も治ってしまう。これをプラシーボ効果と普通は考えるが、ここでは被験者本人の問題ではなく、実験者(治療者側)の問題を取り上げている。治療者が「治る」と念じることで病気を治すという「祈りの力」の存在を取り上げているのである。
医者は手術や薬を使って治療、鍼灸師は鍼を使って治療、理学療法士はリハビリで治療するが、実際はそれらの有効率は半分程度であり、残りの半分は治療する者の念で治しているかもしれないという話である。
この手の話を仮に真実であるとすると大変なことになる。それは手術も含めて、薬、他の治療は一種のパフォーマンスであり、実際は治療師の念(祈りの力)で治している可能性があるという話になる。ならば、祈りの力の強い者は治療成績がよく、それは治療師の職業に無関係となる。
漢方医でも鍼灸師でもアロマセラピーでも気功師でも、職業とは無関係に祈りの力が強い者が病気を治せるということになる。これほどまでに医学をコケにした話はない。まあ、そうは言っても「半分」である。残りの半分は治療法に依存しているだろう。
祈りの力と言っても、それは自信やポジティブさと言い換えることもできるので、結局は実績のある人を選べばよいというところに落としどころがある。以下、シェルドレイクの著書から引用。
プラシーボの平均有効率が治療用医療薬品の30~50%に達する(わかりやすく言うと半分近くの人は薬が要らないじゃないかという話)。
クロルプロマジンはかつて精神分裂病の特効薬としてもてはやされたが、やがてその効き目への信念は次第に覚めて行った。それで試験をやるたびに有効率がどんどん低下していった(日本でも同様なことが脳代謝賦活剤で起こり、4つの薬が認可取り消しとなっている。商品名:サーミオンなど)。
進行癌の患者に、当時「奇蹟の治療薬」と評価されていたクレビオゼンという実験薬が注射された。すると患者の腫瘍が雪玉のように溶けてしまった。しかし、彼が後にこの医薬品が無効であることを示した研究報告を読むや、彼の癌はまた広がった。主治医は「改良型新薬」と偽って投与。すると再び癌が退縮。やがて患者はクレビオゼンには何の治療価値もないという医学会の公式発表を読んでしまう。彼は数日のうちに死んでしまった(これは病は気からの例)。
新しい治療方式を信じる医師と信じない医師とでは治療成績に雲泥の差が出る。支持派が有効率を70~90%と報告したのに対し、懐疑派は30~40%と報告した。
一方、このような治療成績の差は反対のことをも示す。それは「呪いの力」である。有害なプラシーボ効果も存在する。
電極を頭部に装着した患者に対し「これから電流を流すので頭が痛くなるかもしれない」と注意を促した研究がある。実は少しも電流を流さないのだが、被験者の3分の2が頭痛を訴えた。これは患者本人の思い込みの問題であるが、もし、ここに、誰かに憎悪の念を持っている人だけを集め、その人々に「相手が難病にかかるように」と呪う実験を行い、その相手(相手には呪っていることを知らさない)の状態を調べる実験を行うと呪いの力が存在することが証明されるだろう。道徳的にそのような実験は不可能だが…。
この一見、たいしたことのない効果に思えるプラシーボ効果は、実は人類にとって非常に意味のある効果である。
念の力で人々の病気は悪化したり改善したりするという「念の影響力」が存在するとすれば、医学で治らない病気の大半が、この手の影響力を受けている可能性がある。医学で治らないものと言えば、代表が悪性腫瘍。ALSやパーキンソン病などの神経系の病気。喘息、アトピー、膠原病などのアレルギー疾患。原因不明の痛みなどがある。
それらに念の力が関与しているとなると、医学は「念の力」を解明しない限り、これ以上発達することは難しい。逆に言えば、「念の力」を利用すれば、医学で治らない難病が驚くほど治る可能性がある。それは人類の大きな進歩となるが、その鍵を握っているのがこの「プラシーボ効果」と言える。しかし、この念の力は「超常現象」として社会的に葬り去られる傾向がある。特に医学者は激怒しながら否定しにかかるだろう。
だが、考えてみれば激怒する必要はない。医学で治せない病気だけを治すのであるから、彼らに害はない。害があるとすれば、医学の威信と収益を落としてしまうこと。宗教と結び付けて法外な治療費をとられる可能性があることなどがあげられる。しかし、それを理由に研究しないことの方が害であると私は考える。祈りの力と呪いの力については後述することにする。シェルドレイク流に言えば「精神場の影響力について」である。
量子力学が台頭したおかげで「超常現象も科学的に考察する」ことが最近になって始まったばかりだが、それに期待する。
7. 超心理学における実験効果
超心理学=超能力=超自然現象である。すでに第1~3章、そしてこの第4章で、科学が万能ではないことを、多くの科学者たちの言葉を借りて語って来た。それは、私の言葉で語ると信用性が低いからに他ならない。ノーベル賞を受賞するレベルの科学者が、科学の欠点について語ってこそ意味がある。
そして、科学で解明できていないことが自然界では大半を占めることを述べた。さらに、動物たちは普通に超能力(例えば巣に帰る能力)を使えることを示し、人間が使える超能力を否定する権限が科学者にはないことを示してきた(動物にある超能力を否定できないのだから人間にある超能力を否定できない)。それはあなた方に「超能力を否定しないやわらかな脳」を持っていただきたかったからである。
さあ、ここで超心理学についての実験効果について、シェルドレイクの著書を引用するが、超心理学に対する嫌悪感は拭えているだろうか。もし、拭えていないようなら私の文章構成が稚拙だったのかもしれない。
実験者効果は超心理学者にとっては常識にも等しい。心霊能力者はリラックス・前向き・熱気に満ちた雰囲気で能力が発揮され、悩み・不快・疑念があると効果が落ちるということ。超心理学的実験は懐疑派が行うと成績が落ち、友好派が行うと上がる。
これは特に心霊や気功、波動医学など、一般的にオカルトと思われている治療を受ける患者と治療師の関係で重要となる話である。
信じない患者は治りにくくよい結果が出ない。それだけでなく、治らなかった患者はその後にネットの口コミなどに「この治療師はイカサマだ。詐欺だ。」などと書き込み、悪意に満ちた念を飛ばす。これが治療の妨害工作になり得る。それだけでなく治療師を病気にさせることもあるだろう。
「信じる者は救われる」と言われるが、信じない者は超心理学的な治療を受けるべきではないと思われる。信じない者が試しに超心理学的な治療を受けることは互いの害になる。
物理学者のデビッド・ムーブはネイチャーに掲載した論文「超常現象に立ち向かう科学者たち」で、「自然科学の実験に参加している人のなかに、緊張したり、敵意を抱いている人がいたりして、彼らが必ずしも実験がうまくいくことを望んでいないとすれば、実験が成功する確率は著しく減少するものだ。」と述べている。
量子医学では超心理学を利用した治療法にも言及するが、今ここでそれを述べるにはまだ早い。まだ科学の洗脳が十分に解けているとは思えないからである。
ここで理解しておいてほしいことは、科学は生命に関しては全く足元にも及んでいないということ。→次の本文を読む