ローマ教皇のベネディクトゥス14世が死後3週間のときに筆者(スウェーデンボルグ)が面会した。彼はシクトウス5世(16世紀のローマ教皇)と会いたいと言い、5世がやってきたが、彼はあまり口をきかず、すぐに地獄に戻っていった。
14世は人間だったときに「聖書」を用いて説教したが、「聖書はたいしたことはない」と受け取っていたと吐露した。彼は自身が神に鼓舞されキリストによりすべての力を与えられた人間と考えていた。宗教のもっとも悪い部分を身に着け、彼自身が呪術師だった。
その後、西方のへんぴな山の中で聖者と会った。もっとも悪だくみに長けた呪術師で14世に会うためにここに呼び出されたという。二人はずる賢さをその場で競い合ったところ、甲乙つけ難かった。この聖者は最悪の地獄に帰っていった。推測するに14世も地獄行きであろう。
さまざまな超能力を身に着けた大僧正、教皇、などは教祖となって民衆を支配するが、支配欲が強い者は結局地獄に行く。つまり、さまざまな超能力は「神から与えられたもの」ではなく、魔から与えられたものであることがわかる。しかし、生きている間はそれに気づくことはないようだ。
天国に行く聖者はどちらかというと「自分が聖者として崇められることを嫌っている」タイプの人だという。→次の本文を読む