聖天様・豆大師様の祟り(本文)

 九州のあるお寺に「開けてはならない」と言われている厨子(大名から預かった聖天様像が入っている扉のついた箱)があったが、お寺の総代の人の要望で見せてさしあげた。するとそれを見た方は数日後に突然死をとげた。次の総代の人が決まり、その人にも厨子を見せてあげると、再び数日後に亡くなった。そして見せた住職も亡くなった。同様なことを繰り返し、3年間で住職3人、総代が3人の合計6名が亡くなった。
 この聖天様は「祈願すれば叶わないものがない」と言われるほどのご利益があるが、祀るのが難しく、行や供養の間違いを許さないと言われる。その後密教のお寺に厨子を預けて保管した。今は違うお寺にあるが、そこできちんと供養していると、そのお寺の夫婦の願い事(寺の立て直し、子供がほしい、タチの悪い檀家に出て行ってほしい、門前で商売しているヤクザに出て行ってもらいたい)が全て叶ったそうだ。強力なご利益を授ける神は罰も厳しいという例である。

 平安中期の高僧に魔を除ける力の強い者がいた。自分に厄病神をつかせ、その厄病神の姿を弟子の明普阿闍梨に描かせ、その絵札を民家に配布して疫病を防いだ(豆(魔滅)大師のお札も有名)。この高僧はとても徳が高く厳しく、後世は僧兵の祖、怨霊の神として畏怖された。 
この高僧を祀る寺にある中学生(現在阿闍梨、漫画の主人公)が泊まって以来、高僧はこの中学生の守護霊となった。祀ってあるお堂は25年に一度開帳するのだが、その時以外に入ると目が見えなくなるという祟りがあるらしい。しかし、この中学生はお堂に入ったが何も起こらなかった。中学生(霊能者)によると高僧は「このお寺の人が祟りを恐れて近寄らないこと」に対して怒っているという。中学生が阿闍梨になった後、高僧に霊界に帰っていただく供養を行った。
グレードの高い豆大師は我欲の強い現代人を魔とみなして滅ぼすこともあるという。ただし、豆大師は俗人には優しく坊主には厳しいと言われる。→次の本文を読む