第6章で形態形成場について述べたが、ここで扱う生命場は、意味合的にはほぼ同じと考えてよいだろう。生命場は1930年代の論文、形態形成場は1980年代の論文なので40~50年の開きがある。歴史から見ると、生命場の方が元祖となる。生命場の研究は実際に圧電差と呼んでいるものを計測している点で具体的な研究データが数々ある。一方、形態形成場では量子力学的な考察が加わり、過去とのつながりや時空を超えた成分が含まれていることも考えられ、時空を超えて存在する可能性まで述べられていて、より普遍的な思考へと昇華している。
生命場はあくまで「電位測定」で示しているわけだから、形態形成場の一面を数値化したにすぎない。が、生命に場が存在することを考える材料としては、とても簡便であるので理解しやすい。
現在、波動測定器と呼ばれる商品が世界各国に流通しているが、それらの機器は基本的には圧電差や電磁場の変化、共鳴反応を用いて体の場の状態を推測しようというたぐいの商品であるが、その元祖的な論文が生命場の理論であると言える。
この章では生命場について「生命場の科学」ハロルド・サンクストン・バー著を参考に、できるだけわかりやすく要約して説明する。生命場を含む波動医学を疑似科学だと批判する者がたくさんいることは理解している。だが、批判する者も最低限、生命場に関する理論を頭に入れておいて損はないだろう。→次の本文を読む