霊能力がいかに健康と関連がある力であるかをここまでできる限り客観的に、密教や霊能者の意見をまとめた。その力は次元を超えているため、3次元世界の私たちの理解が追いつくことは決してできない。それは科学がどこまで進歩しても、完全なる解明は不可能。次元の違いとはそういうものだ。霊能力をもつ人間は明らかに特別な存在である。が、その事実は同時に妬みを買い、霊能者はその能力を現世でまともに評価されることがないという運命を背負う。それはそうだろう、科学が放棄した末期癌を霊能力で治してしまえば、科学の権威が一気に落ちる。だから科学者たちの目の敵にされるのは当然。
世間に理解できないこの能力は、秘密にせざるを得ないのが現実。それを堂々と公表できる時代になったのは、何度も言うが量子力学が台頭してきたおかげである。高次元世界が実在する可能性を示唆する実験結果がつぎつぎと発表されてきたからだ。
ところが霊能力を理解しようと思っても困った点がある。霊能者同士の意見に食い違いが多い。食い違いの多さは信用度の低さと直結する。だから真剣に霊能力を研究するためには、なぜ彼らの意見に相違が出てしまうのかを真剣に調査する必要が出てきた。だからこの章では何人かの霊能者を紹介し対比することにした。
意識体(魂・霊体とも言う)が原因となる病気は「世の中のほとんどすべて」と言ってよいと私は確信しているが、その意識体の実体を理論立てて説明できなければ解決策を提示しても信じる人は少ない。だから霊体に詳しい霊能者の意見を参考にすることにした。
霊能者である彼らの意見をまとめようとすると、共通した部分と、相容れない部分が出現する。なぜ相容れない部分が出来るのか? そこは興味深いのだが、一つは彼らの能力の差によって、情報収集できる次元に差が出るからだろう。
もう一つは彼らのエゴで歪められているという事実。そのエゴを増長させて霊能者自身を騙そうとする悪意ある霊体の存在に突きあたる。エゴが魔を呼び寄せ、魔によって妄想を植え付けられるために壮大なスケールの個性的な逸話が完成してしまう。
個性的とは、自分と親しい守護霊の個性、自分の生活基盤となる文化、宗教や教育、心の善悪などによって見える世界に相違が出ることを意味する。
例えば、心が善意に満ちている霊能者に「あの世はどんなところですか?」と質問すると「真っ白で平和です。」と答え、邪悪な霊能者に同じ質問をすると「薄暗く、不気味なところです。」と返ってくる。英国人霊能者に同じ質問をすれば「山と台地と空があって…」と言い、日本人霊能者に質問すると「三途の川があって…」と返ってくるように。さらに、その世界へと誘導した守護霊の格の違いによって、ある霊能者は霊界を「きれいな服を着た天使だらけの美しい世界」と言い、ある者は「宇宙空間のよう」と言う。
このような相違がなぜ起こるのかを考えつつ、霊能者たちの共通概念を探っていく。→次の本文を読む