これまでざっと読み渡すことで、祈り、奇蹟を起こす泉、ホメオパシー、波動調整、波動共鳴、生命場、形態形成場、3体液のバランスなど、科学を飛躍した理論は「高次元エネルギー」という共通の言葉でひとくくりにできると理解できたと思う。
3次元世界に存在する肉体は高次元世界からのエネルギーによって生命のエネルギー場をコントロールされているという意味である。神や仏の神秘なる力も高次元世界からのエネルギーである。
西洋医学では治せない慢性の病気を万一誰かが治せるとしたら、それは西洋医学の治療原理以外の方法で治していることになる。すなわち、治せるならば高次元の調整を必ず行っているという理論がある。医学技術が進化すればするほど、この理論はより堅固となる。
漢方薬や鍼灸、腱引きやカイロプラクティックに至るまで、西洋医学で治らない難病を治したことのある施術師は、結局自分の得意とする分野において、高次元世界のエネルギーを調整することに成功しているのだろうという推論に帰依する。
例えば、漢方は高次元波動調整薬であり、腱引きやカイロプラクティックも高次元波動の矯正であり、鍼灸に至っては高次元波動を抜き取ったり刺激したりしているという結論である。
彼らは鍼灸やカイロ、腱引きなどが難病を治療できる仕組みを3次元の物理化学を用いて説明しようと必死になっている。しかし、それをすればするほど科学的につじつまが合わなくなる。その理由は、彼らが治療しているのは3次元の肉体ではなく、高次元のエネルギーだからなのだろう。おそらく、賢明な施術師はそれに気づいているが、彼らも商売をしているので、表向きはそう言わない。高次元=オカルト=宗教と誤解されて患者が全く寄りつかなるからだ。いずれは彼らも「高次元エネルギー」という言葉を用いて治療原理を説明する時が来る。
西洋医学はあくまで3次元医学。医学で治せない病気を治せる治療の全てが高次元医学である。皮肉ではあるが、西洋医学の方が守備範囲が明らかに狭い。
高次元とはなんぞや? と言われると、その答えは「心・魂・意識体」となる。では心・魂・意識体とはなんぞや?と言われると、意識をもった振動エネルギーとなる(意識のない高次元エネルギーも存在するかもしれない)。アインシュタインは物体が振動エネルギーであることを証明した。すると物体も心も振動エネルギーであり、宇宙に存在するものは全て「振動」である。最近ではこの振動理論に異論を唱える科学者はほとんどいない。科学者の間でも、全てが振動であることは常識化し、定着した。しかも、高次元があることも定着しつつある。
チベット医学に至っては、病の根源は心であると断言しており、密教では心が万物(宇宙)を生成すると教える。万物も心も実体のない「振動」であるから、密教のこの考え方が奇抜すぎるとは言えない。密教は奇抜ではないと科学が認める時代に突入した。
この章では「高次元世界からのエネルギーの不具合による病気」に焦点を絞って解説する。そしていよいよ医学界のタブーである霊体について述べる。魂や霊体という言葉は、宗教的な誤解を生むことから、医学者がこの言葉を使うことは決して許されない。しかし、敢えて私はタブーである霊体という言葉を用いようと決意した。チベット医学でさえ「霊」と言う言葉を用いず「心」という。だが、そうした「霊を軽んずる姿勢」こそが霊体が原因の病の根本原因となっている。この現状を打開するために、皆が忌み嫌う「霊」に焦点を当てることにする。
心と霊の意味合いの違いは、霊は移動ができるが心は肉体に縛られているというイメージがある。実際には病の根源は高次元世界を自在に移動することができるので「心」と言ってはいけない。霊なのだ。
ではなぜチベット医学が「霊」と言わないか? その理由こそが「霊」という言葉が一般人に受け入れられていない証拠となる。チベット医学は学問であり、宗教ではないという意味合いを強調したいから「心」という言い方になってしまっている。
また、密教は霊能者への教えであるが、密教も仏教も「霊能者」という言葉を忌み嫌う。その理由は前章で述べた。霊能力は常識を破壊するからである。そして霊体は肉体をも破壊し、病を作る。つまり「霊」という言葉には「恐怖心をあおる」効果がある。しかしそこを避けて通ることはできない。もし、これを読んでいる者が医療関係者であるとしたら、「霊体による病を避けてはいけない」とアドバイスしたい。西洋医学で治らない病を扱う者は必ず霊の世界に足を踏み入れることになっている。どう屁理屈をこねて逃れようとしてもそこから逃れることは絶対にできない。→次の本文を読む