これまで私たちが学んだことは身体に起こる病気には目に見えない高次元世界のエネルギーが関与しているということ。このことに同意できない方は西洋医学の幻影に惑わされ続けるしかなく、これ以上の講義は無駄であろう。ここから先の解説は「病気が高次元世界のエネルギーによって発症する」ことを前提とした理論となる。当然ながら科学的ではなく飛躍した理論とならざるを得ない。
チベット医学は前章で紹介した密教から派生した医学であるから西洋医学からかなり飛躍している。飛躍の理由はチベット医学が「高次元世界のエネルギーによって起こる病気専門の医学」だからだ。約1200年の歴史を持ち、西洋医学と比べられないほど長い歴史がある伝統医療である。ここ数百年で発達した西洋医学は急性の医療に特化して非常に優れているが、慢性の病気に対してはチベット医学の足元にも及ばない。それほどチベット医学は優れている。
しかしチベット医学に対して西洋医学的な偏見を持って見てしまうと、トンデモ医学に見える。書いてある内容が異次元世界の話である。だから笑い飛ばしたくなるのだが、私たちは1200年の歴史に敬意を払うべきである。「いかさまが1200年も続くはずがない」のだから、全てに同意できないにしても、同意できる部分がたくさんあるはずだという観点を持つべきだろう。
だから、私たちはチベット医学に触れる時、否定するのではなく、可能な限り、現代科学との共通点をみつけるという視点で考える必要があると思う。なぜなら、チベット医学は「高次元世界のエネルギーに対処できる世界で唯一の由緒ある医学理論」だからである。異次元世界を研究した医学の中で世界トップの座にあるチベット医学を受け入れてこそ真の医学者であろう。その世界は歴史の浅い西洋医学が太刀打ちできる領域ではない。どうか現代人特有の傲慢さを脱ぎ捨ててこの章を読んでいただきたい。→次の本文を読む