この章では密教を解説する予定であったが、「これまでは科学の話だったのにいきなり宗教の話?」と、拒絶反応を示す方のためにワンクッション置くことにした。宗教と科学を橋渡しする理論をまずは解説しなければならないだろう。
まず、密教と言うと宗教と思われるかもしれないが、基本的に密教は「〇〇せよ」と教えているのではなく、淡々と事実を綴った教科書であるという点で宗教ではない。そもそも秘密となってしまう教えなので「大衆に広めようにも理解不可能。悟った者だけに伝承する。」という点が他の宗教と全く異なる。つまり、ハードルが高すぎるので密教はそもそも一般人に広める目的を持っていない。例えていうならば「東大の首席にならなければ教えない」というような内容なのでごく少数のエリートだけが学ぶことができる禁断の教えであり、教義を教え広める宗教とは一線を画すべきである。
みなさんは密教に馴染みがないと思うが、それは「教えても理解できないので教えていない」からである。しかしながら、驚くべきことは、世界中にある自己啓発本からHow to本まで全て「こうしたら幸せになれる、モテる、出世する、運が上がる」などの本の類に書かれてある内容は、密教の教義の中に全て含まれていることだ。
欧米諸国の啓発本は聖書の内容をベースにしていることがあるが、密教の教義は聖書が足元に及ばないほどに科学的・哲学的であまりにも深い。それは密教を学んだことがある人なら欧米人であっても理解できる。
最近になってようやく判明してきた宇宙物理学や量子力学の内容が密教にぎっしり詰まっている。そして世の中で立派な名言を残した偉人たちの言葉は、すでに密教の教典の中にほとんどが書かれている。そしてソクラテスやプラトンの発言でさえ密教の教義には足元にも及ばない。それほど圧倒的な叡智が密教の中にある(多分信じないと思うが)。
ただ、密教は量子力学の世界や宇宙の仕組み、精神構造、魂や意識体、生命場や形態形成場に至るまで、今の科学でさえ解明できない話にまで及んでおり、理解することが非常に難しい。密教が広がらない理由は、秘密だからではなく、難しすぎて理解できないからなのである。
その密教がなぜ数千年以上経過してから現代で注目されるようになったのか? その理由は量子力学が発展したからであるというのが、世界共通の概念である。密教にはすでに量子力学で言うような「波動と粒子の二重性」のような内容が書かれており、昔は人類がその知識についていけなかった。しかしようやく理解可能な範囲にまで科学が発達したので近年になって注目されるようになった。
実のところ、密教には、科学があと1万年かかっても到達できないレベルのことも書かれている。それを理解することは一般の頭の良い科学者にさえ不可能となっている。
では、誰がその内容を理解できるのだ?と思うかもしれない。その答えは出ている。霊能者だけなのである。前に紹介した松久先生の著書にもあるが、宇宙の叡智とつながることができれば、理解不能な事象でさえ体験できるようになる。その叡智につながる能力のことを霊能力と言う。密教の教典がなぜ、世界最先端の科学のはるか上の叡智が詰まっているのかの答えは、まさに密教は霊能者が書いた経典だからである。
さて、いきなりこんな話を書いても信じてもらえないことを私はよく知っている。そこでみなさんが既知である科学と未知なる密教を橋渡しして頭を少し柔らかくしてもらおうと思う。それがこの章の主旨である。→次の本文を読む