空間(本文)

 宇宙の根本的要素が空間である。空間は一切を包括するより高次な統一性の原理である。その本性は「空」であり、空であるがゆえにあらゆるものを包括できるのである。空間は存在する一切のものの前提である。空間の無限性と意識の無限性は同一である。そしてわれわれの意識がわれわれの住まう空間の種類を決定する(同著)。これらの意味は極めて難解である。が、霊能者の意識は空間を超える体験ができるので霊能者にはこの文章の意味がある程度わかる。意識が空間の種類を決めるとは、その意識の状態において、霊界、亜霊界、地獄、天界、餓鬼界などの住む空間を決めるという意味だと思われる。あるいわ過去・未来・パラレルワールドもあるかもしれない。3次元空間はその中の一つにすぎない。
 「時間と空間は点のような統一体に統合される。それは観想における「内的空間」の開示の際の集中的な出発点を意味するとともに、その究極統合体の最終点をも意味している(同著)。
 こうした考察は最新の宇宙物理学に匹敵する。これをチベット密教の僧侶が感覚的に説いていることに、ただただ驚くばかりである。
 「静かに心を空に保って坐すとき、人は区別のない空性の状態に住するであろう(同著)」と言い、霊能者が体感できる空間に坐禅によって入ることができることを述べている。おそらく坐禅は一般人にも開けている観想法であり、霊能者ではなくとも訓練すれば次元を超える体験ができる可能性があることを示している。→次の本文を読む