科学思考のプロセス(要約)

 科学理論は、1)新理論提唱、2)例外が発見される、3)つじつま合わせの発想、4)発想(妄想)着想、のサイクルを繰り返す。
 例えば古代ギリシアのプトレマイオスは地球を中心に太陽を含む月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星が回っているという理論(天動説)を綿密な天体観察から打ち立てた。ところが惑星が逆行する運動を説明できないという2)新たな疑問(例外)が発生する。科学的な理論はこのような「例外」の発見によって破壊されるという特徴を持つ。例外を指摘されたプトレマイオスは「惑星の各々がその場で小さな円運動をしているから逆行運動が見える」という3)「つじつま合わせの推論」を提唱した。しかし、この時代は「推論を論破できる新たな疑問」を提示できるほどの科学力がなかったため4)プトレマイオスの妄想的推論(嘘)が民衆に着想した。
 このように科学思考のプロセスは「科学的にという言葉を使えばほとんどの人が信じる」というような人間支配の延長上に位置していることを忘れてはならない。科学理論が正しいかどうかの保証はない。そして量子力学は近代にはびこった物理・化学の妄想着想を破壊しにかかっている。→本文を読む