科学史から科学を読む要約

 科学史からわかることは、科学は生気論と機械論で紀元前から現在まで理論の戦いが起こっており、いまだにその紛争が解決していないこと。特に私たちが知らなければならないことは、20世紀に入ってからは生気論が巻き返してきたことだ。
 産業革命から19世紀までは「生物の細胞も人間のからだも機械的にその構造が判明した」と科学者たちが大騒ぎした。ところが20世紀以降、量子論が出現し、「生き物のからだには何か神秘的(高次元的)な力が働いている」と再び言われ始めた。
 これは皮肉としかいいようがない。現在は機械論科学が全盛期であり、科学で全てが判明すると誰もが信じて疑わない時代である。そんな時代に「科学ではわりきれない神秘的な力が命あるものに作用している(生気論)」と言われ始めたのだ。こんな滑稽な話はないだろう。しかも超一流の天才科学者たちがそう言い始めたのだから。
 幸いなことに、量子論者たちが生気論を述べても、今の時代は迫害されることがない。しかし、産業革命以前は、科学者が教科書にある理論を崩すような発言をすれば、投獄されていた。
 機械論者は「判明していない推論」を理論と認めない科学者集団であり、世に起こる全ての事象が物理と数学と化学の公式で固められると思っている。医学者も機械論者である。
 ところが量子論が出現し、「理論で言い表せない事象」が次々と発見された。そのため機械論者が激怒し、討論会で殺意をむき出しにするほどに物理学会がエキサイトしている。
 科学史から本当に学ばなければならないことは、科学とは「科学者同士の殴り合いのけんかの上に成り立っている学問」であり、正しい理論が表に出るのではなく、けんかに勝った者の理論が表に出るという構図になっていること。そして量子論は多くの科学者の予想に反してかなりけんかに強い。よってこれまでの科学の信用性を急降下させている。量子論者は物理学のことを旧物理学と呼んで嘲笑するような時代となった。
ご存知の通り医学は全ての科学の中でもっとも予算を消費していて、国の威信と経済を支えている機械論科学である。そして21世紀、量子論vs医学のけんかが始まった。ところが、医学は科学の中の番長。しかも米国の後ろ盾の上に成り立っている。さてどっちがけんかに勝つのだろう。いずれは必ず量子論が勝つのだが、あと何十年、何百年とかかるかもしれない。