科学史からの深読み(要約)

 私たちの科学は「常に」わからないことだらけなのである。そして科学理論は常に揺れ動いている。100年前は「馬鹿げた事を」と笑っていた科学理論が、100年後には正論となっている。

 ところが、高校で習う化学・物理・生物などの内容が「千年後にはほとんどすべてががらりと変わっている」と推測する人はいないだろう。教科書には普遍的な真理が書かれていて、改訂されたとしても「全く変わる」とは多くの人が思っていない。 しかし「教科書が変わらない」ことは非常に恐ろしいことである。科学の真理として、「知識が真理に近づけば近づくほどわからないことが多くなる」ことはほぼ間違いのない事実だからだ。科学が進歩することは「見えないものが見えてくる」ことを意味する。すなわち、これまで見えてこなかった疑問が見えてくることが進歩なのである。にもかかわらず教科書が千年経っても変わらないのであれば、それは「進歩がない」のか「意図的に変えない」ようにされているかのどちらかだ。近年の科学年表を見てわかることは、教科書は千年経てばまるっきり変わるということだ。→本文を読む