科学はどのようにしてその理論が発達していくのかをまず解説する。それは「新理論を全力で否定しよう」とする勢力があることを知っていただくためである。新理論を唱えることは旧理論を論破することなので旧理論の保守派から反論が出る。反論は人道的に行われない場合も多く、いわれのない侮辱を受けて精神病を患い自殺した科学者や投獄された者も存在する。
旧理論には多大なる儲け話や人間を支配する理論が含まれていることが多い。旧理論でお金を稼いでいた人、支配していた人の権力は、新理論のおかげで没落する。だから新理論者への恨み、憎悪は計り知れない。
わかりやすく例え話をする。「コーヒーで肝臓がんが治る」という理論で儲けていたコーヒー豆農家は「コーヒーで膵臓癌が増える」という新理論が出ると窮地に立たされる。このように科学理論と儲け話は密接に結びついていることがわかる。
儲け話だけなら被害者は少なくて済むが、例えば「天動説」という科学理論とカトリック教会の「宗教観」が結びついて民衆を支配している場合、「天動説」が論破されることは政権をひっくり返すほどの影響を与える。だから新理論は権力者たちからの攻撃の的にされる運命にある。そして場合によっては裁判にかけられて終身刑となる(ガリレオガリレイ)。こうした攻撃や抵抗を超えることでしか科学は発達して行かない。 →次の本文を読む