科学と支配(本文)

 彼の著書で古代の霊は人間の魂が退化していると述べていた。また現代人は天国へ行ける人が少なくなったと述べている。つまり科学の進歩と共に悪人が増えて来たということになるだろう。
 科学とは3次元世界でのみ通用するアルゴリズムと言える。このアルゴリズムを駆使すれば、農作物は取れまくり、病気を薬で抑え、機械が面倒な仕事をしてくれる。空いた時間で娯楽を楽しみ、欲を満たしてくれる。だが、考えてみれば3次元世界の欲望は3次元世界だけで通用するものであり、霊界ではほとんど必要にならない。つまり、科学は3次元世界だけを快適に生きることができるツールであり、霊界での永遠の寿命と比べると、ほんの一瞬だけの優遇である。
 優遇と言っても、科学が発達していても幸福度が高まるわけではない。むしろ社会に支配され、競争が激化し、精神面では不幸かもしれない。だから科学は人間を優遇しているというよりも、人間の欲望を操作して人間の行動を支配していると言ってよいだろう。ならば科学自体が悪のツールと言えるかもしれない。もちろん、100%悪のツールではなく、60%悪のツールといったところだろう。
 科学の発達が農耕を発明し、土地の争奪から戦争へと人々を駆り立て、大量に人を殺す兵器を作らせた。そして人口が爆発し平気で殺し合うようになった…。
 科学が善なのか悪なのかは霊界の管理者たちに訊ねてみればよい。近年の地球から天国へ行く人が少なくなっているのなら、科学は人間を悪に傾けるツールだということになるだろう。
 これは科学というアルゴリズムそのものを悪と述べているのではなく、科学を何のために人々が利用しているのかによってその善悪の正体が見えてくるのである。
 例えば医学は善なのか悪なのか? 医者は善なのか悪なのか? 国家予算の数十%を占める莫大なお金が動く医療産業は誰のためにあるのか? この辺を議論するつもりはない。各自が考えればよいだろう。誠心誠意、患者の幸せのためにある医学ならば善。製薬会社や病院の利潤、国の権威を示し人々を支配するために使うなら悪。
 近年、科学は軍事力を誇示するためのツールであり支配の道具になっていることは確かであり、それは必要悪と言われる。ならば、科学に心が傾けば傾く程地獄優位となり、人の心はすさんで行くことになるだろう。→次の本文を読む