病の分類(本文)

 チベット医学では病気を以下の4つに分類している。
1) 過去生のカルマによる病
2) 今生のカルマによる病
3) 鬼神による病
4) 表面的な病
4)は霊障ではないので、霊障は過去生、今生、鬼神の3つに分類される。チベット医学は密教から派生しているため、過去生が原因として挙げられている。これは理解しがたいほどに深い話である。そして鬼神は祟り系の病を総括している。
過去生のカルマ(悪行)に起因した病は非常に重い致命的な病気になる可能性が高い。どんな医者も治すことができないと言われる。鬼神に起因した病は薬が全く無効で患者は苦しみ続ける。治すには祟っている鬼神を祓う必要があるが、それを人間が行うことは不可能に近く、やはりどんな医者も治すことができないと言われる。
 つまり、「治せない病気が存在する」ことを潔く宣言している。
密教や霊能治療と聞くと、どんな奇病も難病も奇蹟的に治せるというイメージを持つだろう。しかしチベット医学では「過去生のカルマと鬼神由来の病気はほぼ治せない」と文頭で述べている。この言い回しは実に興味深い。
 「治せない病気」こそ、西洋医学の得意分野だからだ(皮肉を述べている)。絶対に治せない癌は切除するか、抗癌剤や放射線で肉体もろとも破壊するしかない。治らない関節炎は痛み止めか、人工関節で対処するしかない。治らない高脂血症は薬剤でごまかすしかない。治すのではなくしわ寄せをするか、切除する。これらは西洋医学の専門である。もともと西洋医学は「治す」ことをせず、悪い部分を切り取るか隅の方に押しやるかのどちらかである。
 一方チベット医学は「根本原因から治す」ことが目的であり、対症療法に興味を持たない。だからチベット医学と西洋医学は油と水のように混ざり合わない。だからチベット医学を学ぼうとするなら、既存の医学知識を一旦頭からはずしたほうがいいだろう。
チベット医学は霊障を治す医学であり、彼らは表面的な病は少なく、ほとんどに霊障が関わっていると述べている。霊障とは、別の言い方をすれば、形態形成場、生命場の異常である。→次の本文を読む