生霊の不可解な点(本文)

 陰陽師は死霊よりも生霊退治に専門性を置くプロ集団と言える。おそらく生霊に関しての知識は密教の僧侶を凌ぐと思われる。しかし、生霊の謎は極めて多く、彼らとて生霊の仕組みを全て理解しているわけではない。
 謎の一つは魂を用いて一つの霊格を持つに至った生霊であるが、この霊格は元の霊体と比べてどのような差異があるのだろう。
 彼らは生霊返しを用いて生霊を発信元へと送り返す。送り返された生霊は送り元の霊体を攻撃すると言うが、その攻撃は永久に続くのか? 攻撃しなくなった生霊はその後にどうなるのか? 生霊返しで返って来た生霊をさらに防御する方法はないのか? 生霊の数は死霊のさらに何十倍と多いと思われるが、生霊は攻撃しかできないほどに知能が低いのか? 知能の高い生霊が神格化して人の役に立つというようなことがないのか?など、不明な点があまりにも多い。
 例えば、神格化した霊体、菩薩化した霊体などは分霊して多くの人々を救済していく。つまり分霊したからといって、それが人を攻撃する霊体とはならない。霊体は一個体の霊格を持った生き物(エネルギー体)であるから、生霊自体が何千年とかけて善良なる霊へと進化することもありうるだろう。他の霊体と合体することもあるだろう。そうした詳しい内容が知りたいものである。
 また、彼らは生霊を飛ばした人の魂には傷が残り(穴が開き)、修復されないと述べているが、これも理解できない。なぜなら、神格化した霊体は分霊することが多々あるが、もしも分霊後に修復されないのであれば、分霊すればするほど、元の霊体が空虚になり、神が神でなくなっていくではないか。もしも霊体を分霊すると、元のオリジナリティが損なわれていくのなら、神は分霊をしないだろう。神は分霊しても元の霊体をキープできるのだから、人の魂の場合、分霊したら修復されないというのは素直に信じることができない。ただ、短期間で見れば生霊を飛ばせば本体はその分小さくなるのは理解できる。→次の本文を読む