生命場要約

 イエール大学医学部解剖学教授のハロルド・バーの生命場の研究は、医学に革命を起こす大発見だった。第5章・6章で述べてきた「細胞の外部にある高次元由来の設計図」の存在が臨床実験を通して証明されたような内容だったからだ。癌患者や精神障害者で圧電差が著しく変化することを証明した功績は大きい。
 彼は女性が排卵日に電気的変化が起こること、婦人科系の癌で「腹壁と子宮頸部間の圧電勾配計測」に特有のパターンがあること、精神病で左右の示指間の圧電差が高くなるなどの臨床データを発表した他、カエル、サンショウウオ、モルモット、植物などを使った実験においても、さまざまな特徴的な圧電差を計測した。
これらは、生き物の体は様々な状態において、様々な体外の電磁場の変化が起こることを意味し、生き物が電磁場のオーラのようなものをまとっていることを推測させた。彼はそれを生命場と名づけた。
そして、このオーラのようなものは、圧電差を計測することで存在を確認できた。また、計測点を工夫することで病気を診断できることを証明して見せた。その論文の数は90以上あり、彼は人生をかけて多大な業績を残した。
量子論者が今になってようやく体細胞をとりまく「場」の存在について言及し始めたのだが、すでに第2次世界大戦前に「場」の研究は行われ、彼は結果を出していたのだった。
医学的にこれほど大きな発見が、米国で無視された背景は、「生命場の存在=高次元の存在」を認めることになるからだと理解できる。
犬が主人の帰宅する時間がわかること、アリが何メートルもある巨大なアリ塚を作ることができること、一つの細胞から人間のような複雑な生物ができること、圧電差で病気の状態がわかること…どの事実をとっても、高次元由来の情報が存在することを示す。
高次元の存在は突き詰めると神や仏、霊の世界に入り込んでしまう。それを科学優位の時代に述べても反発される。だから米国は生命場の論文を葬り去ったのだろう。