推論は研究結果から導いたものでなければ科学論文とは言えない。誰かが推論したことに対して、さらに自分なりに考えを発展させて推論を述べることを「飛躍」といい、それは理論として認められず、「思想」と呼ばれる。
思想には信じる根拠がないので、信者だけが信じるという世界になるため、それは宗教と呼ばれる。私たちは文章を書いて人々を救ってさしあげようと考えるのなら、その救う範囲を常に考えておくべきである。世界を救いたいのなら科学が必要になり、周囲の1000人を救いたいのなら思想で十分である。おそらくこのことは科学がどれだけ発展しようと、人々が神を信じるようになっても普遍である。
これ以降、「大勢の共通体験から編み出した論文」ではなく、カレルの話のように「一人の経験から編み出した論文」を紹介していく。→本文を読む