形態形成場は支配(本文)

 体細胞たちは設計図を理解することはない。ただ設計図の命令に忠実に支配されているだけである。命令に従っているのではなく支配されている。「被支配」の根拠は、寿命を設計図に操作されていることが挙げられる。
 細胞たちは各細胞の意思で長生きすることは許されていない。分裂の指示、分化の指示、アポトーシスの指示などの生殺与奪権を完全に支配されている。細胞にとってそれらの指示は「絶対に逆らうことのできない命令」であり、形態形成場は各細胞にとって絶対神である。そして設計図の存在や意味は各細胞が知り得ない。
 ただし、設計図に逆らって暴走する細胞もある。それが癌細胞である。癌細胞は出現するたびにNK(ナチュラルキラー)細胞によって殺される運命にあるが、生き残った癌細胞がクーデターを起こし、全身に広がることがある。そうなれば母体である人間が死んでしまう。癌の全身転移を意味する。
 形態形成場は支配の象徴であるが、同時に、その命令に背く細胞が全体の数%でも現れると、支配者である人間そのものが死ぬ。すなわち、人間の命は細胞によって支配されているという見方も成り立つ。
 おそらく形態形成場とそれによって支配されている生き物たちの関係は、相互依存の支配体系になっているだろう。この「相互依存の関係」のことをどうか最後まで忘れないでいてほしい。支配に逆らう者たちがわずか数%に達すると、全体が死を迎えるという法則である。
 「形態形成場の絶対支配と相互依存の関係」はおそらく森羅万象全ての物ごとにあてはまる。全ての事象で、形態形成場の支配に逆らう反乱分子が存在し、その反乱分子はことごとく消去される。しかし、反乱分子が数%に達しただけで、形態形成場を管理している母体そのものが死を迎えるのだ。
 すなわち、宇宙全体、あるいわ、全次元で支配されていないエネルギー(意識体)は一つとして存在しない。そして全次元が絡み合っている。そのことを理解することが密教で言う悟りである。→次の本文を読む