宗教の定義(本文)

 宗教の定義は「宗教学者・教祖の数だけある」と言われている。つまり定義がない。よってここで言う「宗教の定義」は無数にある定義の一つと思っていただいていい。私は宗教の定義について真言宗高野山派の大僧正J先生のお言葉を拝借した。

「教えに従うことが宗教であり、人に従うのが信仰である。」

 この定義によると、宗教は「信じる心」ではなく「従う心」となる。教義に従うことが宗教である。神仏を心から信じているのではなく、信じなさいと言われているから信じている。そして感じるものではなく教えてもらうものであり受動的である。 これに対し信仰は、人(霊能者・シャーマン、巫女、僧侶・宣教師・教祖)などから超自然現象を経験させられ、神仏の存在を肌身に感じ、経験させてくれた人(教祖)を信じ、その結果神仏を仰ぐようになる。教えられたのではなく、実体験に基づいて自ら信じていくことが信仰である。しかし人の叡智を超えた神秘体験をする人は稀であり、信仰ができる人はとても少ない。だからほとんどの人は信仰ではなく宗教を行っている。→次の本文を読む