大乗仏教の理念と矛盾(要約)

 密教は一般的には大乗仏教の中の秘密の教え、つまり大乗仏教に含まれると言われる。
 密教は霊能者にしか扱えないという大前提がある。が、この前提はしばしば破られてきたはずである。その理由は大衆に広まらないという点。密教が霊能者のためだけにあるのなら、それは霊能者たちのマスターベーションだという批判が高まったはずだ。密教の存在意義がないと。
 この批判から、密教の大衆化を試みることにならざるを得ない。が、大衆に理解できない教義を大衆化するという究極の矛盾が存在していた。この矛盾は当然ながら科学が進歩した現代においても消えることは決してない。
 密教は地球上の教義に聞こえるが実際は高次元宇宙の教義である。密教の力を使って人々を救うことはできても、密教自体を人々に教えていくことはその高次元性のために不可能。→本文を読む