嗅覚の研究が始まった(要約)

 トゥリンは「嗅細胞は量子トンネル効果を使って振動数を感知している」と述べた。ここで初めて量子力学的考察が登場した。トゥリンは76テラヘルツの振動数を持つボランという物質がS-H結合を持つ分子と同じ匂いがするはずだと想定し、ボランの臭いが実際にそうだったことを示した。トゥリンはさらにアセトフェノンとその同位体で臭いを比べ、化学構造が同じでも化学基を重水素に変えると99テラヘルツから66テラヘルツに振動数が変わり、臭いが変化することを示した。つまり化学基の振動数が臭いに影響していることを示した。→本文を読む