善悪の選択(本文)

 人間は善悪ふたつの霊に取り囲まれて生きている。悪霊は常に人間にマイナスの影響を与え、善霊はそこから守ろうとしている。霊には自分に取り憑く人間の中に見える自分と似たものによって興奮する根本的な性質がある。よって人間が悪いことを考えたり、したりするときには悪霊は興奮して取り憑き、人間の精神に大きな影響を与える。そして悪の道へと転落していく。
 地獄に行く者の中にはこの世にいた時に宗教界のリーダーだった者や、強欲で蓄財ばかりに熱心だった者たちもいた。学者だった者の知識とか宗教家たちの偽の信仰などは霊界ではまるで役に立たない。美しい女性の見た目も役に立たないどころか、そんな表面的なことをうれしがり、表面的に信心深さ、良い評判、誠実さ、などを得るために何でも装っていた者はセイレーン(女の悪霊)に姿を変える。表面上の善は偽善と言う悪だからだ。人間だったときにいつも他人の上に立ちたがっていた者は羨望や妬みのために地獄に行く。学問でさえ、学者としての名声が欲しい(博士号など)から勉強していた者は「名声への欲求」が霊になっても残る。
 争い、病気、不幸や不運、犯罪や自殺などは悪霊のなせる業と言っていい。彼らはさまざまな悪事を霊にも人間にもするが彼らはそれが悪事だとは全く思っていない。彼らは悪を認識していない。自分にとって喜ばしいこと(支配や暴力)が彼らにとって善。彼らの中では善悪が逆転している。人間を苦しめることは彼らにとって喜ばしいことである。また、彼らは体のあちこちに痛みを与える(霊障)。
 もっとも凶悪なのは復讐の悪霊である。彼らにとって復讐ほど気分がいいものはない。最高の喜びとしている。彼らは対象とした人間をひどい病気にしてその体を破壊するだけでなく、心を狂わせて愚行や悪行を行わせ、社会的に葬られるまでにする。彼らは悪のテクニックに長けている。→次の本文を読む