私が昔、整形外科医として某都立病院に勤務していた頃の話である。私の受け持ち患者が腰痛と坐骨神経痛で入院していた。硬膜外ブロックやリハビリを行っていたがなかなか痛みが改善しなかった。整形外科部長に相談すると「精神科を受診させなさい」と言われた。その通りに精神科を受診させて精神科の担当医に「あの患者はどうですか?」と質問すると、「なんでもありですからね。」と返って来た。私にはこのセリフはカルチャーショックだった。
「精神が病んでいると、存在しない痛みが出る。痛みだけでなく、しびれも、麻痺も、筋委縮も・・・なんでもありだ。」という意味である。
つまり、医学的に理屈の合わない症状はすべて精神疾患と考えてよい。とこの病院の医師たちは考えているということだった。→本文を読む