銀/塩化銀電極を生理食塩水に浸す(これにより電極自体に自然発生する電位を0.5mV以内に抑える。次に食塩水を入れたカップに電極を一つずつ入れ、左右の示指をカップに入れて圧電差を計測。次の表の4グループに分かれた。
グループ | 1 | 2 | 3 | 4 |
圧電差 | 10mV台 | 5~6mV | 2~4mv | 2mv以下 |
これらのグループは安定しており、相当時間が経過した後もグループ構成に変化がなかった。この安定性の証拠により、「圧電差は組織内の化学作用の結果である」という定説を覆した。
〇女性を対象にこの実験を行い、排卵に伴って電気的変化が起こると結論付けた。
〇ラングマン博士(ニューヨーク大学病院)のグループで1000人以上の「腹壁と子宮頸部間の圧電勾配計測」を行った。電圧勾配から見て悪性腫瘍だと推定された102例のうち、95例が手術の結果「悪性腫瘍」と断定された。
〇電極は測定対象と直に接触していないにもかかわらず、こうした結果が出る。これは動電場仮説以外に説明がつかない。
〇グリーン博士の協力の元、約300匹のC38種族のマウスについて、胸部への癌移植などを含む定位した研究を行った。電極を口と左右のわきの下間で計測(胸部への移植は右わきの下)。口と右わきの下間の電圧変化は反対側の電圧変化に対して常に負の値をとった。
〇カエルの卵での実験:マイクロピペットを電極としてカエルの卵の電圧の変化を計測。もっとも高い値を示した軸に常に神経系(脳-脊椎)が発生することがわかった。場が生命形態をかたちづくる基本となる母体であることの証拠と考えた。
〇サンショウウオでの実験:神経系の縦軸をはさんで電位が左右対称。未受精卵の時点で縦軸が決まっていた。生物のデザインが電気測定値と相関しているだけでなく、全発生を通して終始不変。電極を離してみても電位変化は依然記録され続けた。これにより、生体から離れた位置にある電位変化を起こす源は場の活動以外に考えられないと結論。サンショウウオの胚を機械的に回転させて電位を計測するときれいな正弦波になった。これより場の軸が発生を通して不変であることをさらに裏付けた。対照実験として銅とハンダを接合させた金属を回転させて電位を計測すると、正弦波になったが時間とともに減衰していった。生物では減衰しない。
〇カエルの坐骨神経の実験で、電極を非接触のままでも、神経が興奮する際に電位の変化を外部からも測定できた。
〇オベリア(海生生物)の一生と電位変化:原基から完全な動物の機能もつに至るまで電位が徐々に上昇。電圧のピークは摂食時。老化と共に電圧が減衰。老化が極限となり文買いが始まると極性の逆転が見られた。生物全体を通して見ると、一生の3分の1までは電位が一定速度で上がり、中間の3分の1は水平、残りの3分の1は下降していく。
〇モジホコリカビ(変形菌)での実験:原形質流動の方向が変化する直前に極性の逆転が起こる。どんな場合でも菌は電場の負の方向に成長し続けた。
〇尺骨神経や坐骨神経が外傷などで損なわれた場合、神経支配領域に接続した電極には逆相の定常波が現れる。実験的に交感神経節を切除しても、血流を突然止めたり、再度流したりしても電位には変化が見られない。これより、皮膚電気抵抗値や発汗は電位変化と無関係と結論。
〇モルモットにつけた傷での実験:皮膚と筋膜に切り傷をつけてすぐに縫合し、その後の電位変化を記録。最初の24時間は電位上昇。その後低下し3日目に負の値。8日で負の値のピーク。15日で通常レベルに戻る。成長と分化の差を表していると結論。傷の治癒の過程は一種の成長の過程であると考えた。
〇精神病疾患の測定:10人の医大生の中指間の電位を計測。とびぬけて高い電位の1名は情緒不安定で精神科通院歴あり、やがて病院に収容された。精神科医ユージン・カーン博士の協力の元、患者を次の3グループに分けて中指間の電位を計測。正常から著しく逸脱、ほぼ正常、その中間。もっとも異常性のあるグループは電位測定値も異常という相関があった。中間グループにはかなりのばらつきがあった。精神疾患の検査として期待できると結論。
〇木の電位の長期観測:夜半から早朝は低電位。夜明けと共に上昇し午後にピーク。1943年と1944年の夏の3か月間、上記の結果を得た。形成層の成長と電圧との間に関連があることを示唆。二本の木の電位、空中電位、大地の電位はほぼ連動。環境の電気特性が生物内の電気的変動に影響を及ぼしている可能性を示唆。このデータに人為的操作が加わった可能性はない。木だけでなく、あらゆる生命形態が同じ影響を受けているに違いないと結論。
バーのこれらの業績はノーベル賞受賞に匹敵すると思われるが、残念ながら彼のこの偉大な研究を受け継ぐ者は米国にはいなかった。このような流れはあまりにも不自然であるがゆえに、意図的な破壊工作が働いていたと思われてもやむを得ないだろう。そして米国の圧力がかからないドイツとロシアでは同様な研究が発展していった。→次の本文を読む