レセプターの研究が医学を進歩させる(本文)

 前述した嗅細胞のレセプターの話は医学の常識を覆している。それはスイッチとUSB端子ほどの差がある。スイッチはオンオフしかできない。しかしUSB端子は1秒間に480Mの情報を交信できる。そして一つの嗅細胞のレセプターが何種類かの臭い分子に対応しているとなると、レセプターは単なるスイッチではない可能性が出てきた。
 しかし、いまだ医学は一つのレセプターは一つのスイッチのオンオフしかできないと思っている。そして化学薬品は乱暴にも鍵穴をマスターキーで埋めてしまい、スイッチ部分に他の鍵が入らないようにするのが精いっぱい。つまり、医学はいまだに古典的な物理の世界にどっぷりつかっている。
 嗅細胞の例を挙げると、嗅細胞以外の様々なレセプターでもバラエティに富んだ情報通信ができる可能性がある。細胞がとなりの細胞と通信する手段でさえ、量子的な情報交換をしている可能性がある。そして人間の37兆個の細胞が、なぜにこれほどまでに統制がとれるのか?の理由が量子学的に多大な情報のやり取りを行っているからだろうと推測される。
 嗅細胞のレセプターの解明は、そうした量子学的通信のはじめの一歩にすぎない。
 おそらく、医学が考えているほど人間の体は単純ではなく、素粒子の世界の見えざる奇妙な動きが支配しているはずである。だが、医学はあまりにも稚拙過ぎてそこまで進んでいないだけである。
 例えると、医学はカードリーダーの入り口に通すことのできるプラカードを作ることができたにすぎない。そのプラカードで入り口を塞いで「情報が入らないようにする」ことができるのが現医学の実力である。
 真の医学はその先にある。磁気カードの情報に治療のヒントが隠されている。
 そして、細胞同士のレセプター研究のそのはるか先に、脳と心の研究が待っている。→次の本文を読む