バーとシェルドレイクの共通点(本文)

 生命場のバー(医学部教授)、形態形成場のシェルドレイク(生物学者)、の考えには多くの共通点がある。まず「どうして生物がその構造の恒常性を保っていられるのかが説明できない」と言っている点。次に「成長をコントロールする要因についていまだに満足な説明ができないでいる」とする点。人は歳をとっても、けがをしても、やせても、太っても、常に同じ形態を維持できる。細胞は常に入れ替わっているのに、全体の形態が全くと言ってよいほど変化しないのは、場が存在しているからだと考えている。
「場は単にパターンを形成するだけでなく、生命体の盛んな物理化学的新陳代謝の中でパターンを維持し続ける能力がある」とする点。
 「場の理論は科学的証明がとうてい不可能な、超生物学的な要因を仮定しているところに弱みがある。」と。まさに、その弱みにつけこまれているために生命場の理論が認められない。 
 ところが、バーはそうした理論よりも、病気を治すための臨床的な研究に人生を費やした。医学部の教授だったので権威を利用してデータを採収することができるからだ。シェルドレイクには不可能な研究である。
 特に子宮がんや卵巣がんなどの病気の圧電差測定には子宮内にプローベを侵入させなければならない。女性器にぷろーべを挿入することはかなりデリケートな測定であり、そんな研究を権威のない者ができるわけがない。ここがシェルドレイクとバーの最大の相違点である。
 しかしながらいかに教授といえども、病院で「場の測定」は敷居が高かっただろうと思われる。協力する善意ある医師たちがいなければ絶対になし得なかっただろう。それをなし得たことに彼の研究の価値がある。→次の本文を読む