ノイブルク城でのオレンジ色の光(本文)

 ドイツのノイブルク城ではヤシの実くらいの大きさのオレンジ色の光が今でも度々観察されているという。そこで2010年夏にそれを見たというモイネさんを取材した。モイネさんをマックス・ブランク研究所に連れて行き、水槽が見えるガラス窓の前に立たせた。そこで水槽の水に4.8キロボルトの電圧をかけ、プラズマを発生させた。0.5秒間、オレンジ色の光が空中に発生した。モイネさんに「目撃したものと似ていますか?」と訊ねると「正直言って驚くほど似ています。」と返って来た。
 モイネさんの「驚くほど似ています。」の証言により、ノイブルク城でのオレンジ色の光はプラズマであると仮定することは、笑い話である。そのような機械仕掛けのトリックで超常現象を否定することは、マスコミを騒がせてプラズマの存在を宣伝する手法である(テレビ局のやること)。
 また、ウブサラ大学の電気工学者クーレー博士は、「オレンジ色の光は電磁波によって脳の視覚野が刺激され、見せた幻影だ」と言う。彼はとても奇天烈なトリックを提唱した。TMS(経頭蓋磁気刺激)は脳に電流を流す刺激法だが、これを受けている時は光の幻覚を見ることがあるという。よって、「オレンジ色の光は電磁波による幻影だから超常現象ではない。」と彼は否定した。もしも、脳に幻影を見せるほどの電磁波が、この城の領域に流れているとすれば、それは強力な電磁波による軍事的なテロに匹敵する。携帯電話は容易に破壊されるだろう。ここまでおおげさなトリックを用意するとなると、それは茶番では済まされない。もし、電磁波でオレンジ色の光が見えるということが真実と仮定するなら、公衆の面前で全員にそれが見えるように電磁波を流して再現させて見せなければならない。実際にやってみれば、そのような芸当が不可能であることがわかるだろう。
 このようなトリックを用いて超常現象を否定することは科学ではない。私は超常現象を科学的に否定しようとする方々が真顔で非論理的展開をすることに驚いている。さらに、このようなマスコミにぎわしの奇天烈な発想で、大衆の意見を操作することに違和感を覚える。
だが、違和感は「超常現象を否定することができない」ことから由来している。超常現象が次元を超えた現象であるからこそ、再現するには極めて大掛かりな装置が必要になる。→次の本文を読む