チベット医学の立ち位置(本文)

 チベット医学は一般人にはほとんど理解されていない。が、このように病気のメカニズムに高次元が関与していることを学んだ後であれば、チベット医学を多少理解できるだろう。
20世紀に量子力学が出現し、3次元世界の物理では理解できない事象があることが発見された。それとほぼ同じ時期に、3次元世界ではとらえきれないエネルギーの場があり、生命は目に見えない場から指令を受けて細胞がくみたてられていくという理論が生まれた。そして最先端の科学ではその目に見えない場を共鳴を利用してコントロールしようとする波動医学機器が開発された。
 一方、密教は古くから「目に見えない場(高次元世界)」こそが主体であり、3次元世界は波動を練り上げて作ったバーチャルリアリティの世界であると見きっていた。すなわち、私たちが「現実世界」と疑わない3次元世界が幻影で、意識という波動が混沌として存在している別の高次元世界こそがリアル(中核)であると教えた。
さすがにこれを一般人に信じてもらうことは難しい。だが、世界中にいる霊能者たちはそれを実際に体感している。
 霊能者の数は少ないという理由で彼らの発言は「たわごと」扱いされているが、霊能者を仮に世界から1000人集めて会議を開けば、彼ら全員の意見がほぼ共通していることに恐らく一般人は驚くはずだ。宗教が異なり世界観が違うはずなのに高次元世界の体感についてはおそらく意見がほぼ一致するだろう。
 チベット医学は密教から生まれているので、当然ながら病気の主体は高次元世界にありと断言している。それは非科学的と考えるのは自由だが、皮肉なことに科学が進歩すればするほど密教やチベット医学を信じる者の数が増えている。
 現時点ではチベット医学は現代の医療とあまりにもかけ離れ過ぎていて、科学者たちが信じるための材料は皆無である。だが、それでもチベット医学を、1200年以上の歴史を持つ古来の伝統医学であり、霊能者たちの意見をまとめて研究した大系であると尊重することを私は勧める。実際にWHO(世界保健機構)はチベット医学を尊重し、医療として認めている。
 チベット医学を世間一般が認めることは、異次元世界へと思考が旅立つことを意味し、それは霊能者が指導的立場へと出世することをも意味している。少なくとも私が生きている間にそんなことは起こらない。つまり、仮にチベット医学が極めて真実に近いことを述べているとしたとしても、世間がそれを受け入れる前に、巨大な力によってつぶされてしまうだろう。
 霊能力は次元が高いので3次元世界の人々の既得権を無視する。だから既得権を持つ権力者に恐れられ、かつ敬遠されている能力だということを知らなければならない。その中で、チベット医学が一つの村や町や教団で流行っているのではなく、チベット自治区全体に普及しているのは、まさに地球規模の奇蹟と私は思っている。だからこそWHOが医療として認めている。WHOが認めるほどの医療なのであるから、私たちはチベット医学を西洋医学同様に敬意を持って見る必要がある。
 脈診も尿診も舌診も、勉強しただけでは身につくものではなく、研ぎ澄まされたセンスが必要になる。それはすなわち霊感である。しかしチベット医学医は彼らの独特の医学書があり、免許を習得するにはそれを一言一句丸暗記し、各県でナンバーワンの学力(暗記力)が必要になる。すなわち、彼らは学問として霊障医学を発展させたわけである。霊能力の世界を学問に置き換えることはたやすいことではなく、チベット医学の創始者は人間離れした偉業を残したと言える。→次の本文を読む