松久先生は米国カイロプラクターの資格を持っており、松果体を活性化させるために項から首にかけてマッサージする方法などを指導している。が、前述したようにメインはスピリチュアルな方法と思われる。それは一種のサイキックであり、彼の書籍に自身から発するオーラを写真に納めたものを掲載していることから、彼自身もサイキックであることを隠していない。
彼は宇宙の意志とつながることを指導しており、宇宙を神や如来に置き換えると、すなわち「神仏とつながる能力をつけなさい」と指導しているに他ならず、それは霊能力解発指導(精神修行)に近いと思われる。
そして彼の考え方(魂、転生、地球上でのシナリオ、宇宙の叡智とつながる、高次元DNAエネルギーの不具合など)はチベット密教・タントラ仏教の考え方と極めて近い。
彼の考え方と密教の違いは、彼は「DNAに全ての情報がある」としたところである。密教では次のように言う「例えば、木の本質的な性質はその根にも、幹にも、枝にも、小枝にも、葉にも、花にも、果実にも閉じ込められているのではない。木の真の本性は、これら全ての部分の有機的な生育と関係の中に、すなわち、その空間的、時間的天界の全体性の中に在る(チベット密教の真理(工作舎))」とあり、DNAに閉じ込められていないと考えられているところである。
彼の治療例として、自閉症の子のIQの正常化、真っ白の髪の毛が一夜にして黒くなる、余命数カ月の癌が完治例を挙げている。
私から見た彼の全体的な印象は、彼の理論は密教の大乗仏教の教えに極めて近い印象を受ける。そして密教の教えに現代の宇宙理論と量子理論で用いる単語を付け加え、現代空想科学の様相を呈している。
基本的に密教や大乗仏教の教えは高次元世界の仕組みを説いているので、3次元世界のどの言葉にも単語にもあてはまることはない。よって彼の理論に飛躍が感じられるのはやむを得ない。
ただ、私としては一つだけ同意できない部分があった。それはDNAに高次元情報が含まれるとする点である。この発想は人間がエーテル体やアストラル体などという生命の場(生命のオーラ)をまとっているという考え方から外れる。
量子学者たちも含め、人間は目に見えない生命場をまとっているという見解は広く理解されているが、その場がDNAに存在するという見解は他の学者たちの見解から外れる。どちらが真実かはわからないが、松久先生自体が、特殊な考えを持っていることだけは理解できる。→次の本文を読む